2021年9月24日
2液混合型のウレタン塗料『ボデーペンウレタンクリアー』の性能に迫る!
みなさん、こんにちは。タナカAです。
当99ブロの記事の中でも、比較的閲覧数の多いのは、“補修”にまつわる記事でして、これまでも多くの補修記事を発信させていただいておりますが、実はメタリック・パールマイカ塗装時のクリアー塗装においては、ほぼすべての記事が『ボデーペン クリアー』を使用しております。
今回は、ちょっとこれまでの補修記事のスタイルをやめ、商品にピックアップした内容として、99工房アイテムの中でも売れ筋商品であります『ボデーペンウレタンクリアー』について、その性能がどれほどのものなのか、実際に使用しながらご紹介させていただきます。 実際の補修の工程の中で入れればよかったのですが、あいにく?補修の必要がある車両が手元にないことや、比較してご覧いただきたいというような意図もあり、今回はこちらの鉄板3枚を使って、
① カラーペイントだけのもの
② カラーペイント+『ボデーペン クリアー』
③ カラーペイント+『ボデーペンウレタンクリアー』
の3枚塗装板を作っていき、どのような違いがあるかを見ていきたいと思います。
まずは鉄板にペイントカラーを塗布するための下地処理として、『耐水サンドペーパーセット S』の600番ででサッと足付けし、
『シリコンオフ チビ缶』で削りカスや汚れ・油分を取り、
『ボデーペン プラサフ』でプラサフ塗装を行います。
数回塗り重ね、プラサフ塗装の塗料が乾燥したのち
『耐水サンドペーパーセット S』の1000番でプラサフの塗装面が平滑になるよう削り、再度『シリコンオフ チビ缶』で削りカスや油分を除去し、ようやくカラー塗装工程までの段取りができました。今回は、この『ボデーペン T-188:トヨタブルーマイカ』を使い、青のパールマイカのカラー塗装を行っていきたいと思います。
と、その前に、『ボデーペンウレタンクリアー』の準備を行います。
『ボデーペンウレタンクリアー』は2液混合型のウレタン塗料。反応硬化型の2液性ならではの塗膜の厚さ、滑らかさ、美しさと、ガソリンにも溶けない強靱なコーティング塗膜性能を発揮します。
『ボデーペン クリアー』は、塗布後コンパウンドで研磨仕上げの必要がありますが、『ボデーペンウレタンクリアー』は塗布後のコンパウンド研磨の必要がなく、しっかりと光沢仕上げになるのもうれしいポイント。
使用の5~10分前くらいに、2液を混合させ、主剤と硬化剤を反応させます。
また、この『ボデーペンウレタンクリアー』は一度反応が始まると、12時間で完全硬化してしまい、その後は使うことができません。1回使い切りタイプのスペシャルな塗料が故に高い性能を発揮します。
ということで、ボトル下部のキャップを取ると、
このように金属ピンがありますので、
地面などの硬い部分に金属ピンを垂直に押し込みます。
こうすることで、缶の中で分離されている主剤と硬化剤が混合され、硬化反応が始まります。
金属ピンを押し込んだ後は、すぐにこのように缶を逆さにして5分から10分放置し、反応が進むのを待つようにしましょう。
て時間になりましたら、缶をもとに戻し、しっかりと振って中身を攪拌しておいてください。
『ボデーペンウレタンクリアー』の準備は整いましたので、実際に板にカラーペイントを塗装していきたいと思います。
『ボデーペン』をしっかりと振って、カラー塗装。1回目はサッと色がつく程度に塗った後は、10分程度乾燥させます。
他の補修記事でも触れていると思いますが、ペイント塗装において厚塗りは禁物です。数回に塗り重ねて、カラーを徐々に発色させるように塗装しましょう。
ということで、2回目の塗装、1回目よりはややゆっくり目に、ただし、あまり一度に厚くならないようにスプレーします。
同様に、10分程度乾かし、3回目、4回目と、今回は4回塗りで、カラー塗装が完成しました。
では、ここからは、真ん中の塗装板には『ボデーペン クリアー』、右端には『ボデーペンウレタンクリアー』でのクリアー塗装を行っていきたいと思います。
まず、左右の塗装板を塗料が届かないところに移動させ、『ボデーペン クリアー』を塗装します。『ボデーペン クリアー』の塗装方法も、カラーペイントとほぼ一緒です。
カラー塗装終了の2~5分後、『ボデーペン クリアー』をスプレーしていきますが、一度に厚く塗らず、垂れないように数回塗り重ねることで、クリアー層を乗せていくようにしましょう。
1回目
2回目 3回目、4回目と今回も4度塗りすることで、このようにしっかりとクリアー層を出すことができましたので、
仕上げに、スプレーダストを平滑にするために『ボデーペン ボカシ剤』をサッとスプレーし
『ボデーペン クリアー』でのクリアー塗装が完成です。
これでも十分にクリアー層ができ、光沢感が出ているのですが、本日のメインディッシュはここから!
先ほどの右の塗装板をもとの位置に戻し、『ボデーペンウレタンクリアー』によるクリアー塗装を行っていきたいと思います。
尚、『ボデーペンウレタンクリアー』を使うときは、塗料が直接皮膚につくことを避けるため、手袋を着用します。また、蒸気やガスを吸い込まないよう、マスクも着けるようにしてください。
本来は『ボデーペンウレタンクリアー』も『ボデーペン クリアー』同様、カラーペイントが終了してから、2~5分後に塗っていくのが基本ではありますが、今回実験で、撮影しながら先に『ボデーペン クリアー』を塗っていたので、カラー塗装してから30分以上経過してしまっておりますがご了承ください。
尚、塗装方法は一緒です。数回に塗り分けて徐々にクリアー層を出していくことを意識します。『ボデーペンウレタンクリアー』は、厚塗りして液垂れしてしまうと、すべて削り落としてもう一度最初からと、リカバリーが超大変ですので、慎重に行きます。
1回目のスプレー
どうでしょう?まだ、クリアー感はあまり出ていないですが、塗り重ねていくので問題ありません。
2回目の塗装。1回目よりは少しゆっくり目に、ツヤが出てくるのを少し確認しながらスプレーします。
3回目、4回目と塗り重ね、
目視でもはっきりとわかるクリアー層による光沢仕上げとなりました!
先ほど同様『ボデーペン ボカシ剤』でスプレーダストを平滑化させ、完成です。
それでは再度3枚の塗装板を元の位置に並べて、仕上がりの違いを見てみます。
当然ではありますが、一番左のクリアー塗装を行っていない塗装板は、本来のカラーが再現されておらず、やはり色が眠たいですね。真ん中や右と比べると一目瞭然。ペイント塗装の際、メタリックやパールマイカのカラーにはクリアー塗装が必要ということが改めてわかるかと思います。
続いて、真ん中の『ボデーペン クリアー』と右端の『ボデーペンウレタンクリアー』を見比べてみます。一見離れた状態で見ると、あまり違いが無いようにも思いますが、こちらの写真はどうでしょう?
右側にはスマホを持っている手や部屋の様子がしっかりと映り込んでいますが、左側は、全体がゆず肌のような仕上がりとなり、シャープさがないのがわかります。
別のカットとしてはこちら。
『ボデーペン クリアー』でのクリアー塗装の塗装板と
『ボデーペンウレタンクリアー』でのクリアー塗装の塗装板です。
どちらも『ボデーペンウレタンクリアー』を前に置いていたので、ややこしいかもしれませんが、『ボデーペンウレタンクリアー』の缶や照明の映り込みの違いがしっかりと確認できます。
実際に、『ボデーペン クリアー』でのクリアー塗装は、この後1週間程度、塗料を完全に乾燥させたのち、コンパウンドを用いての最終研磨作業を行うことで、より均一なクリアー層に仕上げていく必要がありますが、このように『ボデーペンウレタンクリアー』は、スプレー塗装だけで、クリアー層が均一になり、ここまでシャープな光沢仕上げが可能なんです。
いかがでしたでしょうか?『ボデーペンウレタンクリアー』の超光沢仕上げをご確認いただけたかと思います。
本来ならばここで終わろうかと思ったのですが、もう少し掘り下げて『ボデーペンウレタンクリアー』の性能を見ていただければと思います。
ということで1週間後・・・
左側が『ボデーペン クリアー』の塗装板、右側が『ボデーペンウレタンクリアー』の塗装板です。
左側の『ボデーペン クリアー』でクリアー塗装を行った塗装板を磨いて、仕上げたいと思います。
まずは『コンパウンドシート』で全体の塗装面を平滑にし
『コンパウンド極細』で、コンパウンドシートの研磨跡を消し、塗装面を平滑化し
『液体コンパウンド』で最終仕上げます。
かなりキレイになりました。
改めて左右に塗装板を並べ、左に『ボデーペン クリアー』、右に『ボデーペンウレタンクリアー』でのクリアー塗装と比べてみます。
目視では、左右ともにほぼ同程度の光沢感が出ています。照明の映り込みも同じような感じです。
ただ、今回見ていただきたかったのは、この光沢感ではありません。『ボデーペンウレタンクリアー』でスプレーしたクリアー塗装の被膜がいかに強靭であるかというところを見ていただきたいと思います。
せっかく、タナカAが時間をかけて作った渾身の力作の塗装板ではありますが、ここで、この『スプレーシンナー』を使って、
『ボデーペン クリアー』『ボデーペンウレタンクリアー』でそれぞれ塗装補修を行った塗装板の塗料が落ちるかどうかをチェックしてみたいと思います。
『スプレーシンナー』とは塗装補修の失敗時に、スプレーすることで、塗装した塗料を肝がんに落とすことができるスプレータイプのシンナーです。
『スプレーシンナー』をこれでもかというくらいスプレーします。(本来は1か所に大量にスプレーすることは避ける必要ありますが、今回は実験のため、わかりやすく!)
まずは『ボデーペン クリアー』の塗装板
続いて、『ボデーペンウレタンクリアー』の塗装板
しばらく放置した後、ウエスで拭き取ります。
まずは『ボデーペン クリアー』の塗装板
せっかくの塗装がシンナーで溶解され、塗料が一部落ちてしまいました。
続いて『ボデーペンウレタンクリアー』の塗装板
『ボデーペンウレタンクリアー』のほうはこの通り、塗料が全く落ちていません。
『ボデーペンウレタンクリアー』は、前にご説明しました通り、2液タイプの硬化型ウレタン塗料のため、一度スプレーして硬化すると焼付塗装のような強いクリアー層となり、ラッカーやガソリンなどの成分からもしっかりと塗装を守ります。
(まあ、これが故に、ペイント補修の工程で、失敗すると、すべてを削り取らないといけないという手間は発生してしまいます・・・
『ボデーペン クリアー』でのクリアー塗装は失敗してもリカバリーしやすいというメリットはあります!)
いかがでしたでしょうか?長文となってしまいましたが、『ボデーペンウレタンクリアー』の、その性能ご理解いただけたのではないかと思います。
DIY補修にある程度経験がある方に置かれましては、メタリックやパールマイカでのペイント塗装の際、一度この『ボデーペンウレタンクリアー』でのクリアー塗装を行っていただければ、その性能をご体感いただけるのではと思いますので、ぜひご利用くださいませ。
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