難接着素材を接着したい
これまで接着できないとあきらめていた素材を接着させるための取り組みをご紹介します。
接着の原理とフレイムボンドの効果
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接着の原理
接着とは2つの物体が持つ分子同士を引きつける力で起こる際の現象です。
接着の仕組みはとても複雑で、また被着材による接着の相性や原理も異なります。
接着は主に以下の3つに分類できると言われておりますが、
これらが単独で起こっていることはなく、複数の要因で接着している場合がほとんどです。
※ここでは接着剤を使った接着についてまとめております。 シリコーンゴムをフレイムボンド施工後、市販の両面テープで接着
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1. 機械的接着
アンカー効果や投錨効果とも言われ、素材表面の孔や谷間に液状接着剤が入り込んで、硬化することによって接着させるというものです。
足付けやブラスト、エッチング処理はこの結合を強固にします。 -
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2. 化学的接着
各被着材と接着剤との間で化学反応が起こり、分子同士が結合することによって接着させるというものです。
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3. 物理的接着
「分子間力」という分子の間の引き付け合う力(ファンデルワールス力)によって接着させるというものです。その際、各被着材は表面が濡れ、接着剤は液状か流動状態で塗られて、各々の濡れの状態が固まることで接着させるというものです。
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接着効果を高めるフレイムボンドの性能
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1. アンカー効果
フレイムボンドは燃焼炎と共に酸化ケイ素を活性化した状態で吹き付けることよって、目に見えない微細な凸凹状態を形成します。
その凸凹が表面積を大きくし、機械的接着に効果を発揮していると考えています。
足付けやブラスト、エッチング処理は外観が変化するのに対して、フレイムボンド処理は外観が全く変化しないため、接着面以外に処理しても問題ありません。 - 処理層形成のイメージ図
- 処理面の表面状態
処理後
基材 SUS430 電子顕微鏡倍率2000倍
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2. 親水効果
ファンデルワールス力は分子間距離が近いほど強くなります。そのため濡れは接着性向上に重要な要素になります。
フレイムボンドで吹き付けられた酸化ケイ素は対象物の表面に親水性を発揮します。
そのため、被着材の表面は濡れ状態となるため、物理的接着に効果を発揮していると考えています。 - アクリル
処理なし処理あり
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ポリプロピレン
処理なし処理あり
親水性能試験
テストピースに向かい右側のみフレイムボンド処理を行い、それぞれに水をかけて表面状態を確認。
代表的な難接着素材による接着テスト
難接着素材として代表的なシリコーンゴム、PP(ポリプロピレン)を同素材、異素材で、さらに接着剤別にフレイムボンドを使った接着テストを実施しております。
代表的なものを以下の動画でご紹介します。
PPとPP
(エポキシ系接着剤)
PPとシリコーンゴム
(瞬間接着剤)
PPとシリコーンゴム
(変性シリコーン系接着剤)
シリコーンゴムとシリコーンゴム
(ゴム系接着剤)
PPとPP
(エポキシ系接着剤)
PPとシリコーンゴム
(瞬間接着剤)
PPとシリコーンゴム
(変性シリコーン系接着剤)
シリコーンゴムとシリコーンゴム
(ゴム系接着剤)
接着不良、密着不良の問題解決への取り組み
接着の原理は大変複雑です。「くっつかない」「はがれる」など接着不良、密着不良の課題を表面改質処理システム『フレイムボンド』を使って、
多くのお客様が問題解決していただいていますが、残念ながら、『フレイムボンド』の表面改質技術だけでは解決できないことがたくさんあることもまた事実です。
そうした課題解決のために当社では接着に関連するそれぞれのエキスパートと力を合わせて総合的に接着不良、密着不良の問題解決に取り組んでいます。
接着不良、密着不良でお困りの皆様、一度お問い合わせください。

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